病気を近づけない体のメンテナンス

血管<下>老化のメカニズムと改善法 ウオーキングでは負荷が軽すぎる人がいる

写真はイメージ(C)PIXTA

 血管は、メタボや生活習慣病などがあると内皮細胞に炎症が起こり、慢性化するとカルシウムが沈着して血管内膜の石灰化が始まる。また、炎症によって血管内皮が傷つくと、そこから悪玉コレステロールが入り込み、コブ(プラーク)ができて動脈硬化が起こる。このように、血管は少しずつ弾力を失い硬くなっていく。これが血管の老化だ。

 この血管老化の現象も初期段階であれば、「食品に含まれる抗酸化物質の摂取」や「運動によるNO(一酸化窒素)の産生」によって、改善することが分かっている。運動と血管の健康には、どのような関係があるのか。「ズボラでもラクラク!血管・血流がよみがえって全部よくなる!」(三笠書房)の著者で、「芝浦スリーワンクリニック」(東京都港区)の板倉弘重名誉院長(認定臨床栄養指導医)が言う。「少し走ったりすると顔が赤くなったり、体が熱くなったりして、汗をかくなどして血流が良くなることを実感できると思います。血流が速くなると、血管内皮から血管拡張物質であるNOが分泌されて血管を広げてくれるからです。血管を広げる働きは、分泌されるNOの量に左右され、NOが不足すると血管は硬くなります。また、NOには抗酸化作用があり、血管内皮細胞の炎症を抑える働きもあります」

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