日本人は「葉酸」が極めて不足…認知症・動脈硬化・うつ病のリスクが増大

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 この20年、日本人全ての世代で、健康を維持する上で重要な栄養素の摂取が不足している。「中でも深刻なのは葉酸」と指摘するのは、女子栄養大学副学長で自治医科大学名誉教授の香川靖雄医師だ。詳しく話を聞いた。

 日本人の世代別栄養摂取率のデータを見ると、ビタミンA、B1、B6、葉酸、ビタミンC、D、カルシウム、マグネシウムのうち、摂取率100%超、または100%に近い状態なのが、唯一、葉酸だ。このデータだけを見ると「葉酸は十分に取れている」と思ってしまうが、実は違う。

「厚労省の『日本人の食事摂取基準』では、妊婦を除く18歳以降の葉酸推奨量は1日240マイクログラム。しかし、これはWHOが推奨する量の半分程度です。日本では推奨量の設定が著しく低いため、見かけ摂取率100%前後となっているだけで、実際は足りていません」

 海外の“葉酸事情”は、日本とは異なる。

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