“指だけヨガ”で肩こりもストレスもスッキリ

 ヨガといえば、全身を使ってさまざまなポーズを取るもの。健康にはよさそうだが、本気で取り組むのはおっくうだ。そこで“指だけヨガ”。動かすのは指だけなので、仕事の合間でも通勤途中でも簡単にできる。コツを専門家に聞いた。

<1カ月で5キロ減の例も>

「ヨガのルーツであるインド医学には、中国医学で言う経穴(ツボ)にあたる“マルマ”というものがあります。その多くが指先や手に集中しており、これを刺激するのが“指だけヨガ”です」

 こう言うのは、“指だけヨガ”の考案者で「3分で劇的に楽になる指だけヨガ」(メディアファクトリー)の著書があるヨガインストラクターの深堀真由美氏だ。
“マルマ”の位置と効果は、中国医学の経穴とほぼ同じだとか。

「ヨガの腹式呼吸と指の動きを合わせるだけで、全身の血液の流れがよくなり、代謝がアップします。1日3分間の実践で、1カ月に5キロ痩せたという人もいます」(深堀氏)

 バカにできない数値ではないか。
 実際、ヨガ教室の生徒からは「痩せた」「肩凝りが治った」「よく眠れるようになった」などの声が上がっているそうだ。

<腹式呼吸と指刺激>

 基本形は、こうだ。まず、背筋を伸ばし合掌した状態で、ゆっくり呼吸する。

「鼻から大きく息を吐ききったら、頭の中で1・2と数えながら鼻で大きく息を吸い、3・4・5・6と数えながら鼻で息を吐きます。この6秒で“1呼吸(A)”とします。呼吸は丹田を意識した腹式呼吸です」(深堀氏)

 次に指を開き、手のひらだけ離して指先同士だけがくっついた状態にする。親指同士を強く押しつけ合わせながら3呼吸(Aを3回)。同様に人さし指から小指まで終えたら、最後は全ての指を強く押し合わせて1呼吸。ここまでで、基本形の1セットだ。

「これに、自分の体調に合ったツボがある指同士を押し付ける動きを追加します。たとえば、親指の指先には全身疲労・薄毛・顔のたるみを解消するツボ、人さし指は肩凝り・胃もたれ・二日酔い、中指は頭痛・不眠・ストレス、薬指は腹痛・冷え性・精力減退、小指は股関節痛・足のだるさなどに効くツボがあります」(深堀氏)

<筋力や頭の回転アップ>

 腕、胸、背中などの筋力をアップするには、“風車のポーズ”。まず両肘を開いて合掌したまま3呼吸。指先同士だけを合わせ、手首を体側に回して5呼吸、体と反対側に回して5呼吸する。

 頭の回転を速くするには“ジグザグのポーズ”。両肘を開き合掌して3呼吸したら、人さし指だけ離し、息を吸いながら人さし指同士を上向きに立て、吐きながら指の付け根まで倒す。これを繰り返しながら、両手の人さし指同士の前後を入れ替える。20~30回繰り返したら、中指から小指、親指の順で同じことを繰り返す。

「電車で座っている時や会議中に机の下でこっそりやってもいいですね。個人差はありますが、毎日1セット×3回ペースで10日間も続ければ効果が出ます」(深堀氏)
 
 指だけならすぐに始められそうだ。