ご用心 気温が5度以上低下すると「命の危険」が上昇する

 肥満、糖尿病、高脂血症などの動脈硬化のリスク因子がある人はもちろん、高血圧だけでも危ない。自分は健康だと思っていても、温度差が血管に悪影響を及ぼすことに変わりはない。健康診断などで見逃される高血圧症、軽い動脈硬化や不整脈がある人も多いから注意が必要だ。

「急激な血圧の変化を防ぐため、寒い日に外出する時は厚手の服をしっかり着込み、帽子、マフラー、手袋などで防寒対策を万全にすることが大切です。家にいる時も、暖房による部屋ごとの気温差をつくらないよう気をつけてください。風呂の脱衣場やトイレも暖めておきましょう」(東丸教授)

 また、起床後の1時間以内は特に注意したい。朝、目覚めてから活動し始めるまでの間は血圧や脈拍が不安定になりやすく、そこに気温の低下が加わると発症リスクが上昇するからだ。

 目覚めてから5分程度、布団の中で手足を動かして起き上がる。外出する際は、家の中で軽い体操をしてから出かける。温かい飲み物を飲んで体の中から温めておくといった対策を心がけたい。何より、前日との気温差が大きい日は、血管に負担がかかっていることを意識して行動するのが重要だ。

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