鍛えて酒が強くなった人ほど危ない…急に“千鳥足”その元凶は?

 たとえば、体重60キロの人がビール中ビン2本(1000ミリリットル)飲むと、体内にアルコールが6~7時間とどまるという。その間、脳は麻痺したままだ。
「問題は、アルコールを分解する肝臓の能力は30代をピークに徐々に落ちていくことです。多くの人はそれを自覚していないため、たまにお酒を飲むと急にお酒に弱くなったと感じるのです」

 では、加齢以外の原因で急に酒が弱くなることはないのか?
「人間の体のなかでアルコールを代謝する酵素はADH(アルコール脱水素酵素)とMEOS(ミクロソームエタノール酸化系酵素)の2つ。MEOSは本来、薬の代謝に使われますが、お酒を飲み続けている人はADHで処理しきれないアルコールも代謝するようになります」
“下戸だったのに鍛えてお酒が強くなった”という人がこのタイプだ。

 しかし、こういう人が薬を飲むと危ない。MEOSは本来の仕事である薬の代謝に回り、アルコールの血中濃度が高止まりしてすぐに酔っぱらうからだ。

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