ところが、手術まで至った患者の一部に、手術をしても再発を繰り返す傾向が見られた。
以前は「難治性」とみなされてきたが、研究が進むうちに、いくつかの共通点があることが分かった。そのひとつが、鼻の粘膜に好酸球という白血球の一種が多く存在することで、2001年に「好酸球性副鼻腔炎」と名付けられた。
では、好酸球性副鼻腔炎には、どんな治療が行われるのか?
「手術までは従来の慢性副鼻腔炎と同じですが、それ以降が違います。手術後さらに、副鼻腔に再び炎症を起こさないための『維持療法』が行われます」
市販の鼻洗浄器で生理食塩水を副鼻腔まで入れて洗浄する。さらに、抗炎症作用を持つステロイドの点鼻薬を1日1回鼻に噴霧する。
ステロイドの点鼻薬は全身に影響を及ぼさないので、骨粗しょう症などの重篤な副作用の心配はない。ただし、鼻洗浄と点鼻薬の維持療法で副鼻腔炎を抑えられない時は、一時的だが、ステロイドの内服になる。