目標値はそれぞれ コレステロール値は一律で下げなくていい

「LDLコレステロールの本来の基準値は140未満です。しかし、ほかのリスク因子がなければ目標数値は多少甘く定めても構わないし、逆にリスク因子が多ければ厳しく定めなければならないのです」

 次に、【心筋梗塞や脳卒中などを起こしたことがある人】だ。再発予防のために、目標数値はよりシビアになる。

「(1)~(6)の該当数は関係なく、LDLコレステロールは100未満を目標にします」
 コレステロールへの考え方が変わってきた背景には、いくつもの研究結果がある。特に有名なのは3つの研究だ。

「ヘルシンキの『ビジネスマン研究』では、心疾患の危険因子を持った会社役員を2群に分け、一方の群は最初の5年間降圧薬、高脂血症薬を服用してもらい、食事介入を15年間続けました。もう一方の群は、特に何も行いませんでした。すると、研究を開始して10年目ではどちらの総コレステロールも差が出ず、15年目には、薬を飲み、食事介入を行った群は、心疾患死亡率が2.4倍、総死亡率が1.4倍高かったのです」

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