集団感染が続々…間違いだらけの「ノロウイルス対策」

 ノロウイルスは抗生物質が効かず、有効なワクチンも開発されていない。感染しないためには日頃の予防が重要になるが、多くの人は誤った対策を実践しているという。

 ノロウイルスは直径約38ナノメートルと非常に小さく、インフルエンザウイルスの3分の1程度の大きさしかない。その分、手の細かいシワの間などに入り込みやすく、少し手を洗ったぐらいでは落としきれない。

 おまけに感染力が強く、10~100個ほど口に入っただけで感染が成立する。食中毒を引き起こすサルモネラや腸炎ビブリオは10の4乗~5乗個が入らなければ感染しないことを考えると、驚異的だ。

 こうしたノロウイルスの特徴を踏まえ、誤った対策と正しい対策を伊藤氏に詳しく聞いた。

■アルコール消毒=×

 飲食店やオフィスビルの出入り口やトイレの洗面台などに、消毒用アルコールのポンプが設置されているケースが増えているが、大きな効果は期待できない。

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