サラリーマンにぴったり? 「ハイボール」で糖質制限ダイエット

 忘年会シーズン。連日連夜の酒席で、わが腹回りが非常に気になる。そこで、経済評論家の山崎元氏(55=独協大特任教授)が17キロのスーパー減量に成功したという「ハイボール・ダイエット」に注目した。これが本当に効果アリなら、干天の慈雨、猫にまたたび、暴飲暴食のサラリーマンに朗報だ。

 山崎氏が行ったハイボール・ダイエットとは、簡単に言うと、「糖質制限ダイエット」の一つ。糖質の多い炭水化物類(ご飯、ラーメン、パン、芋)、ビール、日本酒、果物、根菜類を控えるのは一緒だが、その代わり糖質がほぼゼロのウイスキーなら無制限に飲んでもいい。「森伊蔵」「魔王」「百年の孤独」など他の蒸留酒もOKで、赤ワインも辛口なら大丈夫だ。

 繰り返すが、糖質を含まないアルコール飲料なら飲んでも太らない。だからいくら飲んでもいい……のだ。

■炭酸で割ることで満腹感が得られる

 17キロの減量に成功した山崎氏は、身長177センチで最盛期の体重は85キロ。人間ドックで「軽度の肥満」と診断されたことがショックで、2年半ほどかけてダイエットに取り組んできた。

 本人がこう証言する。
「女性に人気のデンマーク式ダイエットにも挑戦してみました。グレープフルーツ、ゆで卵、鶏肉などの低カロリー食事療法ですが、アルコール不可という壁が私には大きく立ちふさがった。私は過去30年以上を平均し、飲まない日は年に数日。このデンマーク式は、接待が“業務”であるサラリーマンにも現実的とは言えません」

 デンマーク式ダイエットには致命的な欠陥もある。メーンが野菜になるため肌がカサつき、しわだらけの顔になってしまうのだ。いくら体脂肪が少なくても、サッカーの三浦知良選手みたいなカサカサの顔は嫌だ。

 山崎氏は、ダイエットの王道の運動も試みたが、瞬時に方向転換。「運動後のビールと食事のおいしさを考えたら、どう考えても現実的でないと思った」からだ。

 紆余(うよ)曲折を経て山崎氏がたどり着いたのが、ハイボール・ダイエット。彼が鋭かったのは、ウイスキーをストレートやロックで飲むのではなく、炭酸で割ったこと。こうすれば、飲めば飲むほどお腹がたぷたぷで満腹感が得られ、しかもアルコールの酔いで空腹も多少は満たされる。

「あまり急激に体重を落とすのは体に問題も出ますので、月2キロを目標に減量してきました。もちろん、過度のアルコール摂取は厳禁ですが、サラリーマンにとって忘年会や接待は避けては通れない。ハイボール・ダイエットは一石二鳥になるかもしれません」(山崎氏)

 宴席で体重を気にして箸をあまり付けず、酒も飲まない男がいたら、どう見ても感じが悪い。ひとつ、やってみるか。