5年以内死亡率は30% がんより怖い「下肢閉塞性動脈硬化症」

 ある種のがんと比べると、「がんよりも怖い病気」が下肢閉塞性動脈硬化症なのだ。中村教授に詳しく聞いた。

■「足の冷えくらいで…」と甘く見ると…

 血管に脂肪やコレステロールが蓄積し、血液の通り道が狭くなる動脈硬化は、全身の血管に起こる。下肢閉塞性動脈硬化症は、全身の動脈硬化のうち、最も心筋梗塞や脳卒中を起こしやすく、死に直結しやすい動脈硬化だと考えられている。

「下肢の血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に運ばれなくなります。すると、足が冷えてきます。顔色ならぬ“足色”が、健康的な色ではなくなります。間欠性跛行(はこう)といって、200~300メートル歩くと足が痛くなって歩けなくなる。休むとまた歩けます。さらに進行すると、足先に栄養が運ばれなくなり、深爪した、水虫ができた、といったちょっとしたことでできた傷が治らず、切断に至る場合もあるのです」

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