中高年にはデメリット多し 「レーシック手術」は老眼を早める

 パソコンを使って作業する機会が多い45歳のグラフィックデザイナーがレーシック手術を受けたところ、画面がぼやけて見づらくなってしまった。ピント調節のために老眼鏡を試しても改善せず、どうにもならないと頭を抱えている例もある。近視でメガネをかけている人は、メガネのレンズによって遠方がはっきり見えるように調節している。老眼になって手元が見づらくなったら、メガネを外せばピントを合わせることができる。

 しかし、レーシック手術を受けてメガネがなくても遠方がよく見えるように“改造”してしまうと、老眼になった時に〈メガネを外して手元のピントを合わせる〉という行為ができなくなる。結局、近視用のメガネをかけている人よりも、早い段階で老眼鏡が必要になるなんてケースもあるのだ。

「一般的な生活を送っていて、2メートル以上遠くの物をはっきり見なければならない機会はほとんどありません。年をとれば外出する機会も減ってくるし、さらに手元の範囲での作業が多くなります。それなのに、レーシック手術を受けて遠方視力を向上させ、手元が見づらくなる老眼に直面するタイミングを自分で早めてしまっている。老眼が間近に迫っている40歳を過ぎてからレーシック手術を受けるのは、デメリットの方が大きいと考えられます」(清澤院長)

 レーシック手術を検討している中高年は、よくよく考えた方がいい。

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