来年早々にも発売 日本初「肥満症治療薬」の利点難点

 これまで肥満の解消を目的とした薬としてはマジンドール(商品名サノレックス)があるが、こちらは脳に作用して食欲を抑制する薬。BMI35以上の高肥満の人が対象だ。脂質の代謝を上げることで肥満症を改善する薬はあっても、セチリスタットのように、肥満症の治療薬は他にない。

 肥満は中高年の大きな悩みであり、太った人の減量はあらゆる健康の基本。それだけに大いに期待されていいはずだが、発売にはストップがかかっているという。

「既に9月に厚生労働省の製造販売承認を受けており、11月の中央社会保険医療協議会(中医協)で薬価が決まり、年内の発売が予定されていたのです。ところが、その中医協で“体重100キロの人なら2キロしか減らないじゃないか”“肥満は病気じゃない。保険で賄う必要はない”などの異論が噴出、価格が決まらなかったのです」(厚労省関係者)

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