この急性冠症候群は、全ての人にリスクがあり、加齢とともにそのリスクは上がっていく。
「喫煙、肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった要因を持っている人はリスクがより高い。しかし、だれでも加齢で血管は老い、プラークや血栓ができやすくなります。だから喫煙などの要因がゼロでも、リスクがゼロではありません」
近年、崩壊しやすいプラークと、そうでないプラークがあることが分かってきた。
「プラークが軟らかく、プラークを覆う皮膜(繊維性皮膜)が薄いと崩壊しやすい。また、プラークにマクロファージ(体の掃除役を担う細胞)や炎症細胞が多いと崩壊しやすい。これらは明らかになっていますが、どういう人に崩壊しやすいプラークが多いかは、詳細には分かっていません」
自分の状態を確実に調べられない以上、急性冠症候群が疑われる症状があれば、すぐに対策を講じなければならない。