パンや菓子で感染も 「ノロウイルス」で苦しむのはこんな人

 全国でトラブルを起こす食中毒の中で、患者数はノロウイルスが最も多い。この冬は、宮崎や石川などで集団感染による死亡事故が相次いでいる。

 9日は埼玉のすしチェーン「がってん寿司 行田店」で感染した24人のうち、70代の男性が死亡していたことが発覚した。

「男性は2日にこの店で食事をしてから下痢や嘔吐(おうと)に苦しみ、4日に受診した病院で簡易検査を受けたところ、ノロウイルスは陰性でした。ところが、6日に心肺停止状態になって救急搬送され、死亡が確認されたため、食中毒との因果関係を調べています」(県食品安全課)

 簡易検査の“的中率”は8割ほど。結果が「陰性」だってうのみにできないが、もしノロが原因とすれば見逃せないことがある。

 実は、ノロで亡くなるのは、嘔吐したものを喉に詰まらせる窒息や、嘔吐したものが気管に入る誤嚥(ごえん)性肺炎が死因になる。つまり、のみ下す力の衰えが大きいのだが、今回は寿司屋で食事しているように、のみ下す力はあったはず。

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