糖尿病リスク3割減!? 高倉健も実践する「シリアル食」

 一方の不溶性は、穀類、野菜、豆類などに多い。腸内で水分を取り込んで数倍に膨れて体積を増やし、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促すので、便秘や痔(じ)の予防にも効果がある。トウモロコシ、小麦、オーツ麦、玄米などから作られている穀物のシリアルに含まれているのも、多くは不溶性だ。

 横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)が言う。
「不溶性食物繊維は、消化吸収することができないので、胃の中の滞在時間が長くなり、腸壁が刺激されることで腸を通過する時間が短くなります。便通を促す効果が高いので、糖質などのエネルギー吸収を少なくさせ、有害物質を素早く体外に排出する働きもある。繊維質の食品は咀嚼回数が増え、満腹感も持続するので、糖尿病と関わりが深い肥満も予防します」

 厚労省が推奨している成人男性の食物繊維の摂取量は1日あたり19グラム。日本では男性の摂取量が平均14.3グラムと不足しがちな上、穀物からの摂取が減ってきている。糖尿などの生活習慣病が気になる人は、穀物のシリアルを試してみる価値はありそうだ。

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