今すぐ必要かチェックを…老親の薬は「半分以下」に減らせる

 Tさん自身、14種類23錠の薬を飲むことにストレスを感じていた。飲み忘れも多かったという。伊藤院長の指導のもと、少しずつ薬を“交通整理”していった結果、現在、Tさんが服用している薬は、7種類16錠。症状が悪くなることもなく、逆に「今の方がいい」とTさんに感謝された。

「高齢者は複数の病気を抱えているので、かかっている診療科がいくつもあります。そのため、処方される薬の成分が重なっていることが少なくありません。おまけに医者は『検査をして数値が高めですから、念のために薬を』となりがち。それが何年も繰り返され、薬の量がどんどん増えていく高齢者が珍しくありません」

 本人が大量の薬をよしとしているならいいが、もしも「なんとか減らせないものか」と考えているようなら、医師に相談すべきだという。

「高血圧の薬などは、若い頃は複数種類必要でも、年を取ると減らして問題ないことが結構あります。胃腸薬、便秘薬、頭痛薬などのように、毎日必ず飲む薬でないものも。ビタミン剤や漢方薬は、飲むべき明らかな根拠があるかどうか。私の経験上、今飲んでいる薬の半分以下には減らせると思っています」

 アメリカでは、入院理由の上位に「薬の副作用」があるという報告もある。複数種類の薬をたくさん飲んでいれば、それだけ副作用のリスクも高まる。体のために飲んでいる薬が、逆効果を招くことだって、あるのだ。

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