運動マヒの後遺症が改善 常識打破の脳卒中「新リハビリ法」

 試行錯誤の末、安保教授がたどり着いたのは、脳に刺激を加えて不自由な腕を動かそう、ということだった。

「脳は右と左がバランスを取りながら機能しています。たとえば脳卒中で右脳が損傷を受けると、左脳が右脳の働きを助けるというのが一般的な考えでした。しかし私は、健康な左脳の働きが強くなり、損傷を受けた右脳の働きを抑えつけるので、運動障害が改善しない、と考えたのです」

■発症後半年以内がリミットだったが、28年目の人も改善

 では、健康な脳の働きを抑制し、損傷を受けた脳の働きを上げればどうなるか?

 特殊な医療機器で脳に低頻度の磁気刺激を当てると機能が抑制し、高頻度の磁気刺激では機能が高まることは明らかになっていた。安保教授は、健康な脳に1ヘル
ツ の低頻度刺激、または損傷を受けた脳に10ヘル

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