運動マヒの後遺症が改善 常識打破の脳卒中「新リハビリ法」

 脳卒中で運動マヒが残っている人は、マヒ側の筋肉がこわばり、内側に曲がった状態で極端に動きにくくなる痙縮(けいしゅく)も多い。そういう場合は、ボツリヌス毒素治療を行う。

「細菌が作り出す天然のタンパク質(ボツリヌストキシン)は、筋肉の緊張をやわらげる作用があります。運動マヒの改善は体の中心から進むので、上肢の場合は、肩、肘、手首の順。ボツリヌストキシンを肩回り中心に注射し、痙縮を落として、訓練をしやすくします」

 ボツリヌストキシンで筋肉の緊張がやわらいだ腕を動かすリハビリを、自宅で毎日1時間行う。全く腕が動かなかったのに、手が頭まで上がったり、肩から肘まで動かせるようになった例もある。

「最初はNEUROが不適応だったけど、ボツリヌス治療+リハビリで、NEUROが適応になった患者さんもいます」

 NEUROを行う医療機関は全国11カ所だ。

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