「しもやけが一般的だった時代は、軽症のうちに市販薬を塗るなど対策を講じる人がほとんどでした。しかし近年は、しもやけ自体を知らない人もいて、気付きにくく、重症化してしまうこともあるのです」
Aさん(50)は、布団に入ると足がかゆいので水虫だと思っていた。
水虫の市販薬を塗ったが、よくなるどころか、かえってかゆみと赤い腫れが増した。夜、寝ている時、無意識に患部をかきむしっているようで、皮膚もボロボロになった。それでも塗り続けると、皮膚が裂けてウミが出てきた。皮膚科を受診すると、水虫ではなく、しもやけをかきむしって化膿(かのう)させてしまったものだと言われた。結局、症状が軽減するまで1カ月近くかかった。
「Aさんのように、しもやけを水虫と間違える人は少なくありません。かゆいからとかゆみ止め薬で何とかしようとする人もいます。しかし、しもやけは血行不良によって起こっている病気なので、水虫薬やかゆみ止め薬では、よくなるどころか、悪化させてしまうこともあります」