症状もピタリ 花粉症の「眠気」とおさらばのオススメ薬

 花粉症の記者は今、日中眠くて仕方がない。
「花粉症の薬は、花粉が飛散する前から飲まないと効き目がよくない」と取材で何度も聞いているので、すでに薬を飲み始めているからだ。
「比較的眠気が少ないものを」と医師に伝えて処方してもらっているが、それでも眠い。あまりにつらいので、一度、薬を飲むのをやめたことがあった。すると、花粉が飛散し始めた途端、くしゃみの連発と鼻詰まりによる息苦しさで、日々が地獄のようだった。

 また、市販薬で花粉症の時季だけ何とか対処しようとしたこともあったが、効き目がイマイチなのに、眠気が強く、これまた地獄のようだった。

 仕事に悪影響が出そうな眠気が、毎年3月と4月の2カ月間続く。何とかならんかと思っていた記者に、「眠気の副作用がなく、ピタリと花粉症の症状を止める方法」を教えてくれたのが、自身もひどい花粉症だという「石井クリニック」(埼玉・北浦和)の石井泰憲院長だ。その方法を紹介しよう。

「花粉症の薬は何種類もありますが、ほとんどに抗ヒスタミン剤が含まれているので、どうしても眠気が生じます。しかも、花粉症の症状が出る前から飲まなくてはならないのがナンセンス。私も使っていて、患者さんにも勧めているのは、漢方薬の小青竜湯です。即効性があり、眠気などが起こらない」

■「必要な時だけ」でOK

 石井院長は泌尿器科専門医であり、漢方専門医だ。患者の大半は主に泌尿器科疾患を抱えている人だが、花粉症のシーズンになると、「耳鼻咽喉科で処方されている薬では、眠くて仕方がない。効き目も弱い。ほかにいい薬はないか」と相談されることが非常に多い。そういう時は小青竜湯を勧め、さらに「毎日飲むのではなく、朝のニュースで流れる花粉症の飛散量情報をチェックし、今日はマズイと思ったら飲むように」とアドバイスするという。

「私や患者さんの経験から、小青竜湯は、服用して10~15分ほどで効いてきます。保険適用になっているのは1日3包ですが、1日6包くらいまでなら、副作用の心配はありません。まず1包服用し、効き目が弱いと思ったら、さらに1包追加する。昼も同じです。夕方以降は、花粉の飛散量はぐっと減りますから、症状が出なければ服用しなくていい」

 雨が降っている時も、夕方以降と同様に花粉の飛散量は少ない。
「飲むか飲まないか、朝の花粉飛散量情報で決められるのが、小青竜湯のいいところです。花粉症が治る病気なら薬を早めに飲み始めるなどの対策もいいが、現在は対症療法しかない。それに合っているのが小青竜湯なのです」

 鼻詰まりには一般的にはステロイドが入った点鼻薬が処方されるが、石井院長は血管収縮作用の成分を含む「ナシビン」という点鼻薬を勧める。
「鼻詰まりは、鼻の中の炎症で血管が拡張して起こる。それを収縮させるのがナシビンです。小青竜湯と同様に、即効性があります。昔からある薬なので、ステロイドが入った点鼻薬と比べてはるかに安い。そのため、耳鼻咽喉科ではあまり処方されない傾向があるようです」

 石井院長は花粉症で薬を服用したが、眠くて仕事にならなかった経験があるという。それがきっかけで、眠くならず、効果の高い薬を探すようになった。行き着いたのが、小青竜湯とナシビンなのだ。

 今年はこれでいくか。

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