免疫力は下がり、肥満にも…「むくみ腸」の恐ろしさ

 腸の血流障害の原因は、主に2つあるという。

「まずは、便秘です。便がたまると、腸に少なからず炎症が起きて血流が悪化します。レントゲン写真を撮ると一目瞭然。万年便秘の人は、腸の壁が厚くなるので白く写ります。これが腸壁のむくみです」

 だいたい3日以上便が出ない状態だと、血流障害を起こし始め、それが長期にわたるとむくみ腸が“定着”する。

 もうひとつの原因は、下剤だ。
「下剤は腸に刺激を与えて便を排出します。ところが、慢性的に過剰に服用すると、腸の粘膜が炎症を起こすので、その影響で血流が悪くなるのです。私の外来に来る患者さんはほぼ100%下剤を服用しており、従って、ほぼ100%むくみ腸になっています」

■過敏性腸症候群の原因にも

 むくみ腸は、腸が正常な働きを保っていないこととイコールだ。腸は免疫力と直結していることがさまざまな研究で明らかになっており、むくみ腸を放置することで、風邪やインフルエンザなどの感染症に弱くなり、さらに発症するとこじれやすくなる。また、過敏性腸症候群を引き起こしたり、慢性疲労、顔の吹き出物、代謝低下による肥満、体全体のむくみなどにもつながる。

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