そんな重要な酵素が加齢や生活環境などによって減少してしまう。
不足すると体に悪影響を与えるので、外から補充してあげれば健康や美容に効果がある。
これが、健康食品として売られている酵素の“理屈”だ。
だが、酵素そのものを口から摂取しても意味がないという。
「食と栄養 常識の落とし穴」などの著者で、東北女子大教授の加藤秀夫氏(時間栄養学)はこう解説する。
「酵素はタンパク質で構成されています。タンパク質は胃の中に入ると消化液によって分解され、小腸でアミノ酸になって吸収されます。つまり、酵素そのものを口から飲んでも、胃の中に入ればただ単にタンパク質を摂取したのと同じこと。肉や魚を食べているのと変わりません」
体内でさまざまな働きをしている酵素はそれぞれ役割が決まっていて、必要に応じてつくられる。