周富徳氏、佐野実氏を蝕んだ糖尿病 食べる順番で予防する

 先週、誤嚥(ごえん)性肺炎のため死去した「炎の料理人」こと中華料理シェフの周富徳さん(享年71)。くしくも、同時期に亡くなった「ラーメンの鬼」こと佐野実さん(享年63)と共通するのは、最期まで糖尿病と闘っていたことだ。

 糖尿病はラーメンなど糖質を含んだ食品の取り過ぎが引き金になるが、ちょっとした工夫でリスクが軽減できるという。それは「食べ方」だ。管理栄養士の伊達友美氏がこう言う。

「糖尿病は血糖値の急上昇と急降下を繰り返すことですい臓が疲労し、インスリンの分泌力が低下して発症を招きます。しかし、食べる順番を変えたり、ちょっとした工夫をすることで血糖値をコントロールし、糖尿病を予防できます。この方法はダイエットにも効果があるのです」

 では、どうすれば血糖値を急上昇させずにすむのか。伊達氏に聞いた。

■「ビールで乾杯」の前に

「おいしくても、すきっ腹でビールの乾杯は避けましょう。胃で分解されたブドウ糖が血液中にどんどん送り込まれ、血糖値を急激に上げます。それを防ぐには胃に“バリアー”を張り、ブドウ糖の吸収を緩やかにすること。具体的には、乾杯前に食物繊維や脂質を含む食品を取っておく。枝豆や切り干し大根みたいなお通しがあれば乾杯前に食べる。接待で難しい場合は、乾杯の5分前にアーモンドなどナッツ類を数粒食べておくだけでも効果的です」

■ラーメンの食べ方にもコツ

「麺から食べると血糖値を上げやすいので、最初にスープを2口以上飲みます。次にワカメ、メンマ、チャーシューなど具材を食べる。麺は一番最後です。酢、コショウ、ラー油など調味料も糖の吸収を緩やかにしますから、積極的に使いましょう」

■牛丼、定食は?

「どんな食事もサラダなどの野菜、汁物、おかずの順番に食べ、最後に炭水化物を食べること。コンビニの弁当を食べる時も味噌汁をつけ、おかずから食べるだけで効果が見込めます」

 糖分を含んだジュース、アメ、ガム類も血糖値を上げるからなるべく避ける。食べたければ食後に食べるのがベターだ。

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