脳卒中は予防したいが…血管は本当に鍛えて強くできるのか

 いくら血管を鍛えても、流れている血液がドロドロでは強い血管にはならないのだ。
「血管が強い状態というのは、言い換えれば高血圧、糖尿病、悪玉コレステロールによる高脂血症がない状態のことです。そうしたリスクファクターがある人は、血管という器官だけを強くしようとしても意味がありません。〈攻撃は最大の防御〉といいますが、血管に関しては防御あるのみ。内皮細胞、血液を含めた血管内の環境を整え、血液を正しく循環させることが重要で、リスクファクターを減らすことが求められます」

 血管内の環境を整えるには、〈野菜中心の食生活〉に加え、〈睡眠を十分にとる〉〈クヨクヨ考えすぎない〉〈早起きを心がける〉〈喫煙を控える〉生活を心がける。

「適度な運動も効果がありますが、血管が弱っている状態で激しい運動をすると、逆効果になるケースもあります。週2回、20分ほど速足で歩く程度で十分です。1日1分ほど、かかとを上げ下げして、ふくらはぎを動かすのも効果的です。ふくらはぎは、血液を足から心臓へ戻すポンプの役割があります。ふくらはぎの筋肉が柔らかくなれば、全身の血液循環がよくなります」

 強い血管を手に入れるには、健診などで自分のリスクファクターレベルを把握することも必要なのだ。

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