狭心症や心筋梗塞を誘発 血圧を下げすぎると命が危ない

■さまざまな要因で変動する

 しかし、血圧を下げすぎると、深刻な事態を引き起こしかねない。東邦大学医療センター佐倉病院循環器科の東丸貴信教授はこう言う。

「血圧はさまざまな要因で変動しやすいものです。朝は上がって、夜は下がりますし、暑いと下がり、寒いと上がります。深呼吸した程度でも変わるほどで、自分の正確な血圧を把握できている人は少ない。一般的に、病院で計測した血圧より、家庭血圧の方が低めですが、クスリの量は診察時の血圧によって決められることが多い。血圧が高いからと降圧剤を服用していたら、下がりすぎてしまい、命に関わる病気や事故を引き起こすケースもあります。とりわけ、血圧が不安定な高齢者は注意が必要です」

 高齢になると加齢による動脈硬化が進んで、血管が硬い状態になっている。心臓が血液を送り出す時にはそれだけ力が必要になるため、収縮期血圧=最高血圧は上がる。

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