健康診断で「尿糖が出ている」と指摘された人もいるだろう。人間の体には「体内で糖が増えると、尿中に糖を捨てる」という自然な働きが備わっている。
「高血糖が続くと、それが毒となって血管や臓器を傷めるので、体は大事なエネルギーを外に捨てます。今回の薬はそれを逆手に取ったもので、食後で160~180mg/dlといった高血糖になる前の、もっと血糖が低い段階から糖を尿中に出すのです」
★「SGLT2」とは?
「腎臓の近位尿細管という部分で、糖を再吸収する輸送体です。SGLT1とSGLT2があり、主に働いているのはSGLT2で、新薬ではこちらの働きを阻害して糖の再吸収を阻止します。SGLT1も阻害する薬も研究されていますが、消化管障害などが起きやすいため、SGLT2にターゲットを絞った新薬が開発されました」
★SGLT2阻害薬のメリットは?