心筋梗塞、脳腫瘍…「ありふれた症状」に潜む病気のサイン

 なんてことない症状が実は病気のサインだったというケースはたくさんある。まだまだ現役でバリバリ頑張るためにも病気の前兆を見逃さないようにしたい。

■おならが臭い

 臭いおならは腸内環境が劣化・老化している証拠。腸の健康状態は腸内フローラ(腸内細菌叢(そう))のバランスによって決まるが、大腸菌などの悪玉菌が優勢になると悪臭性のガスが発生する。大腸がんなど重大な病因を抱えているケースもある。

■うんちが浮く

 黄色っぽい便が水に浮くなら問題ない。ただし、水に浮いている便の色が白っぽい場合は、すい臓の働きが低下して脂肪を分解できなくなっている可能性がある。黒っぽくて悪臭の強い便が沈む人は悪玉菌が優位になっている。腸内環境が悪化して腸内がアルカリ性に傾くと、腐敗物質が増えて免疫力を低下させる。

■ふけが増える

 急にふけが増えた人は要注意。水虫を起こす白癬(はくせん)菌の一種「トリコフィトン・トンズランス」に感染しているケースがある。頭に付着すると、頭部白癬(シラクモ)になってふけが増えたり、かさぶたができる。

 また、頭皮に付着した菌類の変化によって炎症が発生する脂漏性皮膚炎の可能性も。脂漏性皮膚炎が耳の上に出るのはエイズの前兆、脳天にふけや脱毛が異常発生する場合は、心臓病の危険が大きくなるという。

■物忘れがひどい

 アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が壊れて起こる「中核症状」が先に表れ、まず物忘れがみられるようになる。

 他にも、更年期障害などで甲状腺ホルモンの分泌が少なくなって甲状腺機能低下症を起こすと、認知症のような症状を見せることがある。

■おしっこが泡立つ

 小便をした時にできる泡がなかなか消えない人は、腎臓機能の異常で尿にタンパクが混ざっているケースがある。落下によってできる細かい泡がドーム状になっている場合は問題ない。

 タンパクが混ざっている小便は、蜂の巣のように大きめで、洗剤のシャボン玉のようにふんわりした感じの泡が立つ。

■光の輪が見える

 電灯、電球などを見た時に虹がかかったような光の輪が見える現象を虹視症と呼ぶ。虹視症の代表的な原因は急性緑内障発作だ。急激な眼圧の上昇によって角膜の水分コントロールができなくなり、角膜が浮腫を起こして白くふやけてくる。その状態で光を見ると光の輪が見える。眼痛、頭痛、嘔吐を伴うケースが多く、放置すると失明の危険も。

■肩がこわばる

 左の肩や顎などが痛む人は狭心症による放散痛の可能性がある。内臓にはさまざまな神経系統があり、そこを伝わって生じる痛みが思わぬ場所に表れることは少なくない。狭心症は心筋梗塞の前兆で、肩の痛みで心電図をとったら心筋梗塞を起こしていたケースも。
■味覚が変わる

 最近、味付けが薄く感じるようになったなと感じる人は要注意。亜鉛不足などによる味覚障害だけでなく、脳腫瘍や脳梗塞などの脳の異常で中枢神経系が正常に働かなくなっているケースも考えられる。

■寝言をはっきり言う

 ひと言ふた言しゃべる程度なら、生理的な寝言なので問題ない。就寝中に大声で叫んだり、はっきりした口調で罵倒したり、隣で寝ている人を殴ったりする場合は、レビー小体型認知症、パーキンソン病、ナルコレプシーの前駆症状で、そうした病気になりやすいという報告がある。

■アソコがかゆい

 インキンタムシ、ケジラミ、疥癬(かいせん)といった感染症の他に、糖尿病の可能性がある。糖尿病の人は抵抗力が弱っているので、もともとアソコに寄生している常在菌が暴れてかゆみを引き起こすケースがある。

■頻繁に鼻血が出る

 鼻の中に傷もなく、荒れてもいないのにジワジワと頻繁に鼻血が出る場合は、白血病のケースも。この場合、歯茎からも出血しやすくなる。

 また、副鼻腔に腫瘍ができると出血を伴う。鼻をかんだときに少量の血が混じる状態が続く場合、上顎がん、鼻腔悪性黒色腫、上咽頭がんなどが疑われる。

■やたらと喉が渇く

 糖尿病は腎臓の働きが低下するため、水分と糖分が尿として体外に排泄される。そのため、体内の水分が不足して喉が渇くようになる。

 さらに、トイレに行く回数が増えた、疲れやすくなった、食べているのに痩せたといった症状があれば、糖尿病の可能性が高い。
 腎臓疾患、更年期障害、口腔乾燥症(ドライマウス)でも、同様に喉が渇くようになる。

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