健康医療データの読み方

近視人口を推計する

41%が近視/(C)日刊ゲンダイ
41%が近視/(C)日刊ゲンダイ

 近視人口を正確に知るのは容易なことではありません。5歳以上17歳以下は学校保健統計調査によって簡単に知ることができますが、18歳以上となると正確な統計はどこにもありません。

 しかし、手も足も出ないわけではありません。警察庁の「運転免許統計」を使うのです。ご存じの通り自動車免許の取得・更新の際には、必ず視力検査が行われます。法律により「片目でそれぞれ0.3以上、両目で0.7以上」といった規則があります。裸眼でこれ未満だと近視と判定され、メガネ等の着用が求められるわけです。

 警察庁が毎年公表している運転免許統計には、メガネ等の着用者数が載っています。最新版(2013年)によれば、3870万人となっていました。
 一方、自動車免許保有者は8275万人。18歳以上の人口(自動車免許の取得は18歳以上)は約1億700万人。

 つまり18歳以上の約77%が運転免許を持っており、そのうちの約47%が近視。免許を持っていない人の近視率も変わらないと仮定すると、18歳以上のうち約5000万人が近視ということになります。

 17歳以下は学校保健統計調査をもとに計算します。裸眼視力0.3未満を近視とすると、約224万人と出ました。よって日本全体の近視人口は5200万人ないし5300万人となります。あるいは国民の41%前後が近視ということになります。

▽長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

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