植物性油脂にたっぷり「トランス脂肪酸」は害にしかならない

マーガリンは危険/(C)日刊ゲンダイ

 だが、日本ではいまだに食品への表示が義務付けられていない。
「09年から何度も検討されていますが、そのたびに見送られてきました。<日本人の1日の平均摂取量は0.9グラム前後で健康への影響は少ない>というのがその理由です。しかし、食生活が大きく変化して、いまは若者を中心にトランス脂肪酸の摂取量は大幅に増えています。注意が必要です」(加藤教授)

 今年4月から内閣府消費者委員会で再び表示義務化が検討されているが、結論が出るまで時間がかかるのは間違いない。

 食品への表示が曖昧な以上、自分の身は自分で守るしかない。横浜創英大名誉教授の則岡孝子氏(栄養学)は言う。

「トランス脂肪酸は、マーガリンとショートニングに多く含まれています。マーガリンの中には、100グラム当たり10グラム以上もトランス脂肪酸が含まれているものがある。ショートニングは、ドーナツ、クッキー、ケーキ、パン、スナック菓子などを製造する際にバターやラードの代用品として使われています。食品の原材料表示をチェックして、『マーガリン』や『ショートニング』という記載があるものはなるべく避け、動物性油脂のバターを使っているものを選ぶのがいいでしょう」

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