吐血で亡くなるケースも…胃潰瘍は決して軽い病気ではない

甘く見たらダメ/(C)日刊ゲンダイ

 総合病院では、ほぼ毎日、胃潰瘍による吐血で患者が運ばれてくるそうで、1日に3人という日も珍しくないという。
 搬送された患者は胃の中の切れた血管を止める内視鏡的手術が行われる。大量の血を浴びるため、医師は防護服のような手術着を着たうえ、ゴーグルをかけて処置にあたる。
 術後は1~2週間の入院が必要で、潰瘍がふさがるまでは食事もできない。胃潰瘍は決して“軽い病気”ではないのだ。

■「ピロリ菌」「薬」に注意

 胃潰瘍になる原因は大きく2つある。「ヘリコバクター・ピロリ菌」によるものと、「薬剤」によるものだ。
 ピロリ菌に感染していると、慢性胃炎を起こしている状態が続き、ちょっとしたストレスを受けただけで簡単に潰瘍ができてしまう状態になる。

「ストレスがかかると、胃酸を分泌するホルモンが増えることに加え、胃の血流が減って胃壁を保護する粘液が減ってしまいます。攻撃因子が強まるうえに防御因子が減ってしまうので、潰瘍ができてしまうのです。ただ、ストレスだけで潰瘍になるケースは非常にまれです。ピロリ菌を除菌すれば、簡単に胃潰瘍にはなりません」(江田氏)

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