病気になりたくなければ怒りを手放せ

「あきらめ」も必要

「怒り」は自分が正しいと信じている価値観と逆の価値観に触れた時に生まれます。そして無意識に「自分の価値観に変えさせたい、従わせたい」と考え、イライラが増すのです。
 しかし、人の価値観というものは一朝一夕で変わるものではありません。その人が生きてきたうん十年という人生の中で、コンコンと形成された鍾乳洞の太~い石柱のようなもの。これを変えるには、石柱がボキッと折れるほどの大きな衝撃がないと無理なのです。
 そこで、相手を変えようとすることをあきらめ、「相手はこのまま」という前提のもと、「では、どうしたらイライラせずに過ごせるのか?」と考えた方がうまくいくこともあります。

 ある中間管理職のKさんは、新しい部長と合わないイライラから不眠症になりました。Kさんは仕事を一通り完成するまで自分で仕上げたいタイプ。一方、新部長は全て自分で逐一チェックしなければ気が済まないタイプでした。Kさんは途中で経過を何度も報告させられ、細かい修正の指示もしょっちゅうです。そのたびリズムが乱されるKさんはイライラがひどくなり、寝付けなくなってきたのです。

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