職場や自宅の独り言 「アウト」と「セーフ」の分かれ道

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

〈えーと、今度はアレをやらなきゃ……〉
〈そうだったかあ。どうすりゃいいかな……〉

 最近、職場や自宅でつい独り言をつぶやいている。自分ではなくても、同僚や妻がぶつぶつ言っている。そんなシーンに思い当たる人は少なくないだろう。ひとりでしゃべっているのだから周囲はなんとなく気味が悪いし、ひょっとして病気なんじゃないか? と心配にもなる。独り言が多くても問題はないのか。都内20の企業で会社員の心身ケアを行っている精神科医の奥田弘美氏が言う。

「独り言が多い人というのは、主観的な感覚の内的イメージが豊富で想像力が豊かな人や、感受性が強くて感情が高ぶりやすい人に多いようです。ただ、どんな人でも、うれしい、悲しい、悔しい、緊張したなど、感情が高ぶったり興奮気味になったりした時に、内的な気持ちが言葉になって口に出やすくなります。一説によると、内的な気持ちの高ぶりを独り言として声に出すことで、精神の高揚を緩和してバランスをとったり、ストレスを解消する役割があるとされています」

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