半年で4キロ減 8割が持つ「遅発型アレルギー」の元を断つ

自覚症状がないケースも/(C)日刊ゲンダイ
自覚症状がないケースも/(C)日刊ゲンダイ

 ジムに通ったり、脂っぽいものを控えたり、自分なりにあれこれ努力しても、ちっとも痩せられない。そんな人は多いのではないか。なかには“体質だ”と諦めてしまう人もいるだろうが、待って欲しい。あなたが痩せられないのは「遅発型フードアレルギー」が原因かもしれない。「三番町ごきげんクリニック」(東京・千代田区)の澤登雅一院長に聞いた。

 遅発型フードアレルギーとは、食物アレルギーのひとつ。一般的な食物アレルギーとは違い、食べたからといってすぐにじんましんが出たり、気分が悪くなったりすることはない。
 食べて数時間から数日後に、慢性的な疲労感や眠気、下痢や片頭痛、肌荒れなどといった何となくの体の不調として感じることが多い。

「実は不調を訴える人の9割、自覚症状がない人でも8割が遅発型フードアレルギーを持っていることがわかってきました。問題はその原因となる食べ物がわかりにくいことです。通常のアレルギーなら食べてすぐ反応が出るので何が原因かわかりやすいのですが、遅発の反応はわかりにくい。好きで食べているもの、健康によかれと思って欠かさず食べているものが、原因かもしれないのです」

■原因不明の不調も治った

 吉田雅義さん(仮名、50歳)がまさにそうだ。

 ヨーグルトが体にいいと聞き、毎朝食べていたが、遅発型フードアレルギー検査で乳製品と卵に強いアレルギー反応が出た。一般的な食物アレルギー(即時型フードアレルギー)の検査では、反応が出たことがないが、遅発型と即時型では調べる抗体の種類が違うため、違う結果が出たのだ。
 吉田さんは、乳製品と卵を除去した食生活を続けたところ、わずか2週間でひどいアレルギー性鼻炎が緩和され、半年後、体重が4キロ減ったという。

「遅発型フードアレルギーの反応が出た食べ物を断つ目的はダイエットではありません。しかし、炎症を抑えることで、それまでどんなダイエットをしても落ちなかった体重が減るというのはよくあることです」

 遅発型フードアレルギーでは、アレルゲンと抗体が結合することで免疫複合体というものができて、体の中で長期にわたり炎症が生じるため太りやすい体質になってしまう。

 炎症が起こると代謝が落ちるだけでなく、脂肪細胞の肥大化が起こる。肥大化した脂肪細胞は、また炎症性物質を産生し、肥満への近道になってしまう。

 この悪循環を断ち切るには、半年程度アレルゲンとなる食物を断つことと、腸内環境を改善することしかないという。

「アレルギーのある食物を除去するということは、その食物から得られる必要な栄養源を失うことになります。その分、別の食物から栄養をとらなければなりません。私のクリニックでは、除去だけでなく、食生活全体の見直しを提案すると同時に、半年間継続できるようサポートしています。例えば、乳製品がNGの人には、ヨーグルトの代わりに納豆や味噌などの発酵食品をとるよう指導します。むろん、除去食に迷ったり、挫折しそうな気持ちになったときも、メールや電話で対話しながら解決していくようにしています」

 遅発型フードアレルギーの検査は2~3㏄の採血のみ。日本の検査機関では取り扱っていないため、米国の検査機関に出し3~4週間後、送られてきた結果を基に食生活の改善方法や注意点がレクチャーされる。

 気になる費用は自由診療なので医療機関によって違うが、同クリニックでは4万円(初診料別途)。検査費用と半年間のサポートも含んだ料金だという。不調が解消され、痩せられるなら決して高い金額ではない。あなたも試してみる?

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