「成人喘息」の誤解 服薬をやめられる人は2割しかいない

治ったと勘違い/(C)日刊ゲンダイ

 喘息治療は、格段に進歩している。かつては発作時に飲む治療薬しかなかったが、気道の炎症を抑え、発作を起こさないようにする予防薬が登場。今は「正しく治療を受けていれば、喘息発作を起こさないで社会生活を送れる」時代だ。しかし実態は、社会生活に支障を来すほどの喘息症状が出る人が60%もいる。

■「治った」という誤解

 問題点は、2つある。
 まず、薬を継続的に使わない人が圧倒的に多いことだ。

「高血圧や糖尿病などの慢性疾患は、数値目標があり、『発症したら一生薬を飲まなくてはならない』という認識が浸透している。本来は喘息も高血圧や糖尿病と同じ慢性疾患なのですが、そう考えられていない」

 喘息の場合、激しい発作や咳(せき)などで病院にかかる。薬で症状が鎮まると、ほとんどの患者が「治った」と思う。ここに落とし穴がある。

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