レーシックは怖い…新型「永久コンタクト」検討の価値あり?

あなたもやってみる?/(C)日刊ゲンダイ
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「レーザーで角膜を削るレーシック手術を受けた後、4割が不具合が生じたと訴えている。安易に受けないように」。昨年末、消費者庁がこう発表して以来、“近視や乱視を何とかしたいが、レーシック手術は怖いし、コンタクトやメガネはごめんだ。どうしたらいい”と思い悩んでいる人も多いのではないか。ならば、手術で角膜の内側に新型人工レンズ「HOLE ICL」を入れる手法を検討してはどうか? 手術後は、風呂もプールもOKの「永久コンタクト」だ。

「HOLE ICL」は今年4月、厚労省が認可した視力矯正のための新たな眼内レンズだ。発案者で北里大学医学部眼科教室の清水公也主任教授が言う。

「これまでも、近視や乱視の治療法として、眼球内の虹彩と水晶体の間に人工レンズを移植するフェイキックIOLと呼ばれる治療法がありました。ところが、単にレンズを移植したやり方では眼球に栄養や酸素を与えている房水流路が阻害され、眼圧を高め緑内障の危険があったのです」

 ならば、とその流路確保のため、虹彩を少し切除する手術法が開発されたが、その手術によるリスクが残った。

「そこで登場したのが従来のフェイキックIOLの問題点を克服した、HOLE ICLです。中央に0・36ミリの小さな穴を開けたこの新型レンズの使用によって、前述した2つの問題点が一挙に解決されることが分かったのです」(清水教授)

 これならば裸眼視力の良い人と同じように、お風呂もプールもOK。運動するときも不自由を感じない。通常のコンタクトのように手入れをすることもなく、砂ぼこりで特別痛い思いをすることもない。

 HOLE ICLのメリットはそれだけじゃない。同じ視力矯正の手術であるレーシックでは鮮明度がやや落ちる、と指摘されていたが、より鮮明だともっぱらだ。

 さらには、レーシックでは時間とともに近視が一定の割合で戻るといわれるが、HOLE ICLではほとんど近視の戻りがないとされ、長期的に安定した視力が保たれるという。

 また、視力低下や白内障、緑内障などで調子が悪くなれば、簡単にレンズを交換できる。

「日本では今年5月から現場でこの新型眼内コンタクトレンズの移植が始まったばかりですが、欧米や韓国では3年前から認可され、良好な成績を挙げています」(都内の眼科専門医)

 しかも、レーシック手術と違って、眼科専門医のみに許された手術法のため、トラブルの心配がほとんどないという。

「この手術を行えるのは眼科専門医の資格を持ち、講習会に出席したうえで、実際に試験官医師が手術に立ち会って、パスした人のみです」(清水教授)

 手術そのものは両目で30分程度で終了する。ただし、レンズの調達に時間がかかることがある。個々人ごとのレンズをオーダーするからだ。

 気になる費用はいくらなのか?

「自由診療ですから診療機関によって治療費はまちまちですが、目安は両目で50万~100万円ほどです」(医療コンサルタント)
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