ならば、とその流路確保のため、虹彩を少し切除する手術法が開発されたが、その手術によるリスクが残った。
「そこで登場したのが従来のフェイキックIOLの問題点を克服した、HOLE ICLです。中央に0・36ミリの小さな穴を開けたこの新型レンズの使用によって、前述した2つの問題点が一挙に解決されることが分かったのです」(清水教授)
これならば裸眼視力の良い人と同じように、お風呂もプールもOK。運動するときも不自由を感じない。通常のコンタクトのように手入れをすることもなく、砂ぼこりで特別痛い思いをすることもない。
HOLE ICLのメリットはそれだけじゃない。同じ視力矯正の手術であるレーシックでは鮮明度がやや落ちる、と指摘されていたが、より鮮明だともっぱらだ。
さらには、レーシックでは時間とともに近視が一定の割合で戻るといわれるが、HOLE ICLではほとんど近視の戻りがないとされ、長期的に安定した視力が保たれるという。