薬で治療だけじゃない 手術で治る「内側側頭葉てんかん」

日本ではあまり行われない/(C)日刊ゲンダイ

 運転中に意識を失うこともあり、交通事故のリスクも高まる。さらに、てんかん発作を繰り返すと、脳のダメージが加わり記憶力が低下したり、うつ状態になることもある。内側側頭葉てんかんでない人の8倍、突然死のリスクが高いという指摘もある。

 だから、早期の的確な治療が必要なのだが、内側側頭葉てんかんは、その選択肢のひとつに、異常な電気発射が起きている海馬や扁桃体を切除する手術がある。

「てんかんは一般的に、2剤までの抗てんかん薬の服用で患者の7割が症状を抑えられます。しかし、内側側頭葉てんかんで海馬硬化がある場合は薬が効きにくい。その半面、手術で根治する患者が多い。世界的なデータでは、7割の内側側頭葉てんかん患者が完全に発作が治まり、著効が2割、改善なしが1割です」

 ところが、日本では「てんかんには手術で治るものもある」ということが知られていない。

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