世界初「軟骨細胞シート」 変形性膝関節症に効果あり

動き回れるのは膝が元気だからこそ/(C)日刊ゲンダイ

①症状の進行でO脚になってしまった膝をできる限りまっすぐにする

②炎症をコントロールする

③すり減った軟骨を改善する

 といった多方面からのアプローチが必要だからだ。しかしそれでも、軟骨細胞シートが画期的な治療法であることは間違いない。

「従来は①と②しか方法がなかった。そこに、軟骨細胞シートの登場で③が加わった。結果、治療効果を長持ちさせることが可能になったのです。①と②だけなら人工関節の手術がやがて必要になった人が、③をプラスすることで、自分の膝での歩行で寿命を全うできるかもしれません」

 現在は患者自身の軟骨細胞による軟骨細胞シートを用いているが、それとは別に、他人の軟骨細胞による軟骨細胞シートの研究も行われている。それによって治療のコストを下げ、より多くの人が変形性膝関節症の治療を受けられる可能性が出てくるという。

 さらには初期の変形性膝関節症の治療への応用も研究の視野に入っている。今後が楽しみだ。

※東海大では、臨床研究のエントリーは終了している。

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