「陰部神経痛」を知らずに痔の手術を受けてはいけない

痔と間違いやすい/(C)日刊ゲンダイ

 肛門の奥に焼け火箸を押し付けられたり、割ったビール瓶で刺されるような痛みが起きて、それからずっとジンジンした痛みが持続的にあるいは断続的に続く。人にもよるが、これが典型的なパターンだ。

 患者は男性より女性に多く、高齢者に出やすいという。比較的、激しいスポーツをした人がかかりやすく、スクワットを100回ほどしていたら発症したケースもあった。

「陰部神経痛がなぜ起きるのかは、わかっていません。恐らくは陰部神経が通過する骨盤の溝を覆う内閉鎖筋が何らかの原因で神経を圧迫しているのでしょう。ところが、肛門の痛みなので、Aさんの主治医のように痔の手術を行おうとする医師がいるのです。しかし、痔の痛みではないので、当然手術では治りません。痔との違いは直腸診を行い陰部神経を圧迫したときに圧痛点があれば陰部神経痛の可能性が高いのです。肛門の左後方に痛みの“最強点”がある場合が多いです」(後藤医師)

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