「陰部神経痛」を知らずに痔の手術を受けてはいけない

痔と間違いやすい/(C)日刊ゲンダイ

 従来の治療法は痛みのある場所へのマッサージや抗うつ薬の投与、神経ブロック注射などだが、その効果は一時的だった。

 後藤医師の治療法は5センチほどのステンレス製の電気鍼を仙骨孔や肛門の周りのツボに刺し、21ボルト、150マイクロアンペアの直流電気を5秒間流すというもの。

「時には漢方薬を併用することもあります。私はこれまで300人以上の陰部神経痛の患者さんにこの治療法を行ってきましたが、週に1回、都合5回で、治療前の痛みを10とすると3~5程度に痛みが軽減したという人が8割ほどです」

 ちなみに海外では内閉鎖筋の切開手術をすることで陰部神経の圧迫をなくす治療法があるが、重要な血管を傷つける可能性があり、日本で手術を行う医師はいないという。

 なお、先のAさんは後藤医師による通電鍼治療後、痛みがすっかり取れ、しゃがんで草むしりができるまでに回復したそうだ。

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