突発性難聴の8割が完治 画期的な「音楽聴くだけ」新療法

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 突発性難聴を発症して5日以内の中程度の患者に10日間入院してもらい、31人が従来のステロイド療法、22人がステロイド療法と病側耳集中音響療法を受けた。
 病側耳集中音響療法の患者は入院中ずっと耳栓をし、聴力が落ちた側の耳でクラシック音楽を毎日6時間ヘッドホンで聞いた。クラシック音楽にしたのは、さまざまな周波数の音が入っていて、万人が嫌わずに聞けるからだ。

「脳の反応を調べると、入院時は音に対する脳の反応に異常が見られたが、リハビリ後は、聴力が正常な場合と同様の脳の反応が見られました。難聴の耳に対応する脳の部位が再活性化したことが考えられます」

 3カ月後の聴力検査の結果は、病側耳集中音響療法も受けた患者の86%が聴力が完全回復。14%が少し回復した。一方、ステロイド療法だけの患者は、完全回復が58%、少しの回復が19%だった。

「完全に回復したというのは、一般的に『治った』と考えていい。3カ月以上経っても聴力は落ちていません」

 一刻も早い普及が望まれる。

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