食事量は減らさず 「カサ増し料理」で楽ちんダイエット

/(C)日刊ゲンダイ
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 写真を見てほしい。ダイエットした男が、太っていたころのジーンズをはき、ウエストがダブダブなことに驚いている。パッと見て、拳が丸々一つ入りそうなほど余裕があるが、つらい食事制限や苦しい運動を続けたわけではない。毎日毎日、妻の料理を“食べた”だけで、ピーク時の105キロから1年で25キロも体重を落としたという。

 実はこの人、女性誌「saita」と連動するネットブログ「ダンナさんヤセさせ部」に投稿されたダイエット成功者。タイトルの通り、世の妻は、自分の手料理でいかに夫をヤセさせるかを競っていて、そんなごはん作りがブームなのだ。

 そんな折、投稿レシピをまとめた「ダンナさんヤセさせごはん260」(セブン&アイ出版)が出版され、話題を呼んでいる。

「食事だけでそんなにうまくいくか」と不信感たっぷりにページをめくると、ほかにもダイエットの成功者3人が写真入りで登場。減量結果だけ並べると、「4年で20キロ減」「3カ月で9キロ減」「2年で4キロ減」という具合。最後のひとりは元が細いから、減量幅が少ないが、ほかの3人はかなりの成果だ。

「写真の男性は、ランチも愛妻弁当で、3食管理されていましたが、投稿者のコメントを見ると、昼は自由というケースが多いですよ」(田島尚子総編集長)

 このダイエットは今までの食事量を減らさないというのが“ミソ”。

 実践編として紹介されている260のメニューの平均カロリーは、1食分(1人分)363キロカロリー。2食で700キロカロリーほどだから、仮に夫が1000キロカロリーのヘビーランチを食べたとしても、食事制限が厳しい糖尿病食の1600キロカロリーを少し上回る程度。成人男子の平均的な1日のカロリー消費量は2400キロカロリーだから、十分ヤセられる計算だ。

 数字上は超ライトな感じだが、「桜エビと切り干し大根の大盛り和風チャーハン」(333キロカロリー)、「はんぺんふわふわピーマンの肉詰め」(199キロカロリー)、「ルーを使わないトマトカレー」(148キロカロリー)と、オヤジが食いつきそうなメニューがズラリ。これらを、本を参考に妻に毎日作ってもらえばいいのだ。

 横浜創英大学名誉教授・則岡孝子氏(栄養学)が言う。

「食事のみでヤセるコツは、①高カロリーな肉や脂、脂肪分を低カロリーな食材に置き換える②米や麺などの炭水化物を減らす代わりに、野菜でカサを増やすなど。この本のレシピは、2つのポイントをうまく応用しています。『はんぺんふわふわピーマンの肉詰め』は①の応用で、ひき肉を減らし、はんぺんに置き換えたもの。このはんぺんがいい。肉と魚のうま味が重なり、おいしさをアップさせながら、カロリー減に成功。ナイスアイデアです」
「大盛り和風チャーハン」は米を減らす代わりに、切り干し大根でカサを増やして、桜エビでうま味をプラス。カレーはルーに含まれる小麦粉が高カロリーのもとなので、それをやめて、玉ネギの甘味と豆でうま味を補っている。

「肉や炭水化物などを減らすと、うま味も減ります。妻は、野菜でカサを増やしつつも、適度なうま味を加えたメニューを作るのが、夫に飽きずに食べ続けさせるコツです」(則岡氏)

「最近の妻たちはダンナが中年太りすることを嫌い、競うようにヤセさせごはんメニューを開発しています」(田島総編集長)

 妻に作ってもらおう!

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