「外来で局所麻酔でできます。麻酔が効くまで約10分、チューブを入れるのは1分もかかりません。痛みもほとんどなく、歯の治療より楽かもしれません」
それでいて、効果は高い。
「めまいの発作頻度が減ります。私たちの最近のデータでは、12例中9例が数カ月から1年以内にめまい発作が治まりました。75%の治癒率です」
残念ながら耳鳴りや難聴は、めまいに比べると改善の度合いはそれほどではないが、「強いめまいがあると、吐き気などもあり、起き上がれず、日常生活を送れないこともある。それが軽減する意味は大きい」と角田准教授は指摘する。
なお、一部の病院では特殊な機械を使った「中耳加圧療法」を鼓室内チューブ留置術にプラスする治験も行われている。
「チューブの穴を通して圧を送り込み、内耳を刺激するのです。欧米では、よい治療成績が出ています」
メニエール病で悩んでいるようなら、鼓室内チューブ留置術を検討するのも手だ。