炎天下作業員に学ぶ…熱中症で死にたくなければ丼を食べる

頼むなら“つゆだく”を/(C)日刊ゲンダイ
頼むなら“つゆだく”を/(C)日刊ゲンダイ

 先週末の猛暑はつらかった。25日は岐阜県多治見市で気温39・3度を観測。全国で1200人が熱中症で救急搬送され、3人が死亡した。翌26日は11人が死亡している。まさに“殺人熱中症”だ。

 金持ちなら都会を離れて田舎に避暑を楽しむこともできるが、サラリーマンはそうはいかない。お金をかけずに熱中症を予防するにはどうすればいいのか。

 参考にすべきは肉体労働者の食生活だ。建設現場の作業員など、炎天下で働いている人たちは夏になると丼ものをよく食べる。経験則からカツ丼や親子丼、牛丼、天丼などが熱中症対策になることを知っているのだろう。

 とんかつ定食などの場合、夏バテ気味の人は「食欲がない」とご飯を残しがちだが、丼ものはタレがご飯にしみているので最後まで食べきれる。作業員たちは炭水化物を十分に取ることでパワーを維持しているのだ。

「熱中症予防に必要な塩分と水分の補給効果もあります。お店で食べる丼ものは塩分が多めで味噌汁や漬物がついていることが多い。しょっぱいので食事中、水を多めに飲む。自然と熱中症予防になるのです」(医学博士の米山公啓氏)

 牛丼を食べるときはつゆだくを頼む。高血圧の心配がなければラーメンのスープを飲み干してもいい。

 医学博士の左門新氏が言う。

「クーラーの効きが悪い家に住んでいる人は冷たいシャワーや水風呂で体温を下げましょう。外回りで汗をかく人は干し梅や塩アメを持ち歩いてください。万一、目まいのような熱中症の発作に襲われたら、自販機でよく冷えた缶入り飲料を買い、首や脇を冷やすこと。冷えた血液を体内に循環させることで症状を改善できます」

 貧乏人は丼ものを食え、である。