J・フォスターも…人工授精で露骨になる女性の「精子選び」

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
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 夫婦以外の卵子や精子を使った非配偶者間体外受精を実施している「諏訪マタニティークリニック」(長野県下諏訪町)が話題だ。

 同院では昨年末までの17年間に夫の実父から精子提供を受け、118人もの子供が生まれたという。無精子症など夫側の問題で子供を授からない場合、“少しでも夫と血のつながりのある人から精子提供を受けたい”“せめて自分の血のつながりのある子供を持ちたい”との夫婦の気持ちは分からなくはないが、いまの日本の風潮ではやはり特殊なケースだろう。

 むしろ、注目すべきは他人の精子を注入器により女性の子宮に送り込む非配偶者間人工授精により全国で1万人以上の子供が生まれていることだ。不妊治療に詳しい産婦人科医が言う。

「非配偶者間人工授精を望む女性の多くは切実に子供を授かりたい不妊治療中のカップルです。しかし、“夫はいるが、優秀な男性の精子を提供してもらい優秀な子供を持ちたい”という女性や“そこら辺りの、ろくでもない男の子供を産むくらいならちゃんとした精子提供者から子種をもらった方がマシ”“男はいらないが子供は欲しい”というシングルマザー希望の女性や同性カップルなども増えています」

■教育レベルや専門分野も選べる

 当然、そうした女性は、理想の子供を授かるための精子選びに熱心だ。

「人工授精により女性の精子選びはより露骨になっていますね。例えば人工授精が盛んな米国では精子バンクがいくつもあり、ネットで精子提供者のさまざまな情報を見ることができます。具体的には人種、身長、血液型、職種、肌、目、髪の毛の色、教育レベルや専門分野などです。なかには精子提供者の子供の頃の写真を公開することで人工授精でできた子供のイメージをもちやすくしているケースもあります。希望者はその中から自由に精子を選ぶことができるのです」

 実際、全米屈指のインテリ女優、ジョディ・フォスター(51)が未婚のまま出産した2人の男児は人工授精のたまものといわれるが、精子は「ブロンドで知能指数の高い白人」をリクエストしたといわれている。

 実は、米国の精子バンクのこうした精子提供者の情報は、日本でも手に入れることができ、実際に精子を依頼することもできるという。

「最近は生まれてくる子供の容姿を気にしてか、ハーフっぽい子供を欲しがる傾向があります。ただし、実際に精子バンクの精子を手に入れるには費用以外の条件があります。米国から送られてきた精子を確実に子宮内に送り込むことができる、医師の承諾書が必要になるのです」

 ちなみに、米国の精子バンクから頭脳明晰な男性の精子の提供を受けて子供を産んだ女性のなかには、望み通りの子供を得たケースもあるが、自閉症となり、子育てに苦しむ場合もあるという。