真夏のゴルフで厳守! 命を失わないための「プレー5カ条」

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
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 東京では最高気温が35度を超える猛暑日続き。熱中症などで救急車で搬送される人が後を絶たない。既に7月末で、1000人を数えている。とくに注意したいのは炎天下、およそ4時間強をかけて10キロを歩き続ける18ホールのゴルフだ。無理をすると命を失うことにもなりかねない。

 そもそも真夏のゴルフは限界まで体を鍛えているプロゴルファーでさえもプレー中に脱水症状を起こすほどハードなスポーツだ。わけても体力が衰え、運動不足気味のシニア層の月1ゴルフは、危険と隣り合わせ。注意が必要だ。

 この10年で150冊の文庫本を刊行した官能小説家、末廣圭氏(72)はゴルフ歴40年。徹夜明けでも早朝ゴルフ場に車を飛ばすほどのゴルフ好きだが、真夏のプレーだけは、絶対に厳守する対策があるという。

「もう10年前ですが、私が出版社に勤務していたとき、真夏、ゴルフプレー中に当時42歳だった大事な部下を失いました。彼は血圧が高かったのですが、ティーアップしようと腰をかがめたとき、そのままの姿でいきなり横に倒れたまま、目を覚ますことがなかったのです」

 死因は心筋梗塞。日頃の睡眠不足とストレスに加え、炎天下での運動が心臓を細かく痙攣させて血栓を作らせ、それが心臓の血管を詰まらせたのだ。部下は救急車に乗せたときには既に心肺停止状態だったという。

 以来、末廣氏は、真夏のゴルフプレー時に厳守している5カ条がある。

1.男としてみっともないが、プレー中は日傘をさすことを忘れない。

2.移動するとき、コースの真ん中ではなく、できるだけコースの両脇にある日陰を歩き、しかも走らない。

3.水を十分に補給する。目標は1リットル。塩分を含んだ水もときどき飲む。

4.つばの長い帽子着用、首に濡れたタオルをまく。

5.昼食時のビールは禁止。アルコールは利尿作用があり、水分を補給してもすぐ抜けていくから。ゴルフ前夜はアルコールを控え、十分な睡眠をとり、体調を整えておく。

■ゴルフは突然死が最も多いスポーツ

 では、最近増えているゲリラ豪雨に伴う雷対策はどうか? 通常、落雷が予想された場合、ゴルフ場は、スピーカーで警告、または退避を放送している。「ただし、途中棄権するか否かは原則としてプレーヤーの方の自主判断に任せています」(千葉県印西市「泉カントリー倶楽部」)

 これは全国、2400カ所のゴルフ場の見解でもあるようだ。

 末廣氏は「仲間のなかから不安な声が上がったときは棄権します。落雷を受けたら大変ですし、なにかの拍子に転んでケガでもしたら、シニアは回復するのに時間がかかりますからね」。

 日本医師会認定健康スポーツ医でもある「世田谷井上病院」(東京都世田谷区)の井上毅一理事長が言う。

「私の病院にも真夏、近くのゴルフ場から、吐血した人が救急車で搬送されてきたケースがありました。真夏のゴルフで一番気をつけたいのは『熱中症』ですね。猛暑日、とにかく水分をよく補給しませんと脳、心臓などの血流が悪くなり、心臓病や脳梗塞などを起こしてしまいます。十分に気をつけてください」

 ゴルフはプレー中の突然死が最も多いスポーツだ。そのことを忘れてはいけない。

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