5人に1人の女性が悩む「骨盤臓器脱」に画期的な治療法

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

「以前の手術は子宮を取り、伸びきった膣粘膜を切って縫い縮める方法で、再発率が29~58%と高く、体への負担が大きかった。今は、再発率が低く、子宮温存が可能で、開腹の必要がなくて体の負担が比較的軽いメッシュ手術があります。しかも、保険が適用される。過剰に手術を恐れなくていいようになったのです」

 メッシュ手術は、メッシュで臓器が膣から下がったり出たりするのを防ぐ治療法だ。メッシュは体と一体化し、半永久的に骨盤内の臓器をサポートする。
 膣から行う手術と腹腔鏡を用いて行う手術の2通りがある。

「膣からの場合は、膣の穴の奥の方を小さく切って、そこからメッシュを入れます。腹腔鏡の場合は、膀胱、子宮、直腸をつり上げている靭帯をメッシュを用いて再建させます」

 腹腔鏡を用いる方法は後から登場したもので、より再発率が低く、痛みが少なく、術後の性交痛や違和感がないなど、メリットが多い。
 しかし、年齢やこれまでの腹部手術の有無など患者の条件によって、膣から行う方法が向いていることもある。医師と相談して決めることになる。

 いずれにしろ、骨盤臓器脱を一人で悩む時代では、もうない。

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