「物を乱暴に扱えば壊れるように、歯も使い過ぎれば壊れます。歯が欠けた隙間には細菌が入り込んで虫歯になったり、歯肉に負担がかかることで歯周病も進行しやすくなります。顔にある4カ所の咀嚼筋は常に凝った状態になり、それに連なる表情筋が硬くなって、険のあるトゲトゲしい印象になる人もいます」
いわゆる「エラの張った顔」は骨格によるものと思われがちだが、実は歯ぎしりや噛みしめによって咀嚼筋が発達し、厚くなってしまったものだという。
■ある程度は自分で緩和できる
歯ぎしりの被害は口の周辺だけではない。
「筋肉は筋膜によってつながっています。咀嚼筋が疲労してくれば、首や肩の筋肉にも悪影響を及ぼし、頭痛や肩こりを引き起こします。また、平衡感覚をはじめいろいろな脳神経を必要以上に刺激してしまうので、めまいやさらには胸の痛み、呼吸困難などの原因にもなるのです」