大ヒットドラマ「半沢直樹」で主人公の同僚役を務めて注目を浴び、その後もテレビや映画に引っ張りダコの滝藤賢一(37)。人気の秘密は、さまざまに表情が変化する“顔芸”だ。
いつも心の内を他人に悟られないよう、努めて無表情を装う現代人にとって、くるくる変わる滝藤の表情は、健康的でエネルギッシュに感じられるのではないか。
実際、表情のない顔、険のある顔の中には病気が潜んでいる場合がある。
サラリーマンの病気に詳しい弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長が言う。
「たとえばうつ病です。感情を抑えようとすると顔はもちろん、全身の筋肉が緊張します。これが発症の遠因ともいわれています」
徐々に体が動かなくなるパーキンソン病もそのひとつだ。
「パーキンソン病は、筋力はあるのに脳から分泌されるドーパミンという物質が不足して、神経の働きが悪くなり、全身の筋肉が硬くなって動かなくなる病気です。顔は険しくなり、無表情になります」(林院長)
これは仮面様顔貌と呼ばれ、強皮病(皮膚や内臓のさまざまな臓器が硬くなる原因不明の自己免疫疾患)でも起こることが知られている。
無表情だと顔の血行やリンパの流れが悪くなり、筋肉が固まり、しわが増えて老け顔になるといわれる。
もうひとつ、年を重ねて怒り顔、険のある顔になる人は、歯周病や顎関節症を患っている可能性もある。
「誰でも夜寝ているときに無意識に“食いしばり”をします。それが行き過ぎている人は、長い間に咬筋に力コブができてほっぺたが膨れ上がり、怒り顔になるのです。そういう人は歯に不必要な負担がかかるため、歯がダメージを受けて虫歯や歯周病などになりやすい。また、咬筋への負担は全身の筋肉や神経にダメージを与え、肩こり、首のこり、胸痛や息切れ、目の奥の痛みなどの不定愁訴を引き起こします」(都内の歯科医師)
たまには、滝藤みたいに顔を動かすのが大事なのだ。