NY中華街で30人以上感染 蚊よりも恐ろしい「秋の生魚」

旨さに潜むリスク/(C)日刊ゲンダイ

 ビブリオ・バルニフィカスは2~3%の塩分濃度で増殖し、水温17度以上の海水中の魚介類や甲殻類などに付着する。

「かつては海水温が高い南の海で多くみられ、九州地方や中国地方での感染が目立っていました。しかし、近年は温暖化の影響で海水温が上昇し、東北や北海道でも感染例が報告されています」(藤田氏)

 国への届け出義務がないため正確な感染者数は不明だが、75~05年の間に185の症例が報告され、117人が死亡。年間20~30例の感染があると推測されている。国立感染症研究所などが市販されている魚介類の一部を調査したところ、16%からビブリオ・バルニフィカスが検出されたというから、持病がある人は注意したい。

「早期なら抗生物質による治療が効果的ですが、間に合わない場合も多い。そのため予防が大切です。持病があったり免疫力が落ちている人は、魚介類を生で食べないこと。海岸を歩いていてケガをしたり、傷口を菌に汚染された海水につけることで感染するケースもあるので、裸足で海辺を歩いたり、素手で生の魚介類を触ることも避けたい。もし触ったらしっかり手を洗い、調理などに使用した器具もすぐに洗ってください」(藤田氏)

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